この記事でわかること
- 安全衛生責任者は下請の会社ごとに置く連絡役
- なるのはほぼ職長さん。特別な資格はいらない
- 誰がやっているかは現場の掲示でわかる
安全衛生責任者。現場の掲示や書類で、よく見る7文字です。
前に「職長・安全衛生責任者教育」を受けた話を書きました。でも教育の名前だけでは、この役が何者かはわかりません。
安全衛生責任者って、職長さんとは別の人なんですか?
役目は別もんや。ただ、人は同じことがほとんどやで
現場9年目の私が、法律の決まりと、現場で見てきた実際の姿をセットで説明します。
安全衛生責任者とは下請の連絡役
ひとことで言うと、下請の会社ごとに1人置く、安全のための連絡役です。
まとめ役は、別にいるんですか?
大きい現場には、いろんな会社の職人さんが同時に入ります。元請には、現場全体をまとめる「統括安全衛生責任者」が置かれます。
そのまとめ役の相手として、下請の各社が選ぶのが安全衛生責任者です。
労働安全衛生法16条に、「統括安全衛生責任者との連絡」などを行わせる、と書かれています。
安全衛生責任者と職長の違い
職長は、作業の指揮役です。自分の会社の職人さんに、直接指示を出します。安全衛生責任者は、元請との連絡役です。向いている方向が違います。
役目は別ですが、同じ人が兼ねられます。講習も「職長・安全衛生責任者教育」として、最初からセットです。
そして現場の実際も、ほぼセットです。職長と別の人が安全衛生責任者、という現場を私は見たことがありません。
安全衛生責任者の仕事は6つ
法律の決まりでは、仕事は6つあります(労働安全衛生規則19条)。
安全衛生責任者の仕事
- 統括安全衛生責任者との連絡
- 連絡された内容を自分の会社に伝える
- 伝えた内容が実施されるよう管理する
- 作業の計画のすり合わせ
- 作業が混ざることで生まれる危険の確認
- 孫請けの安全衛生責任者との連絡・調整
難しく見えますが、束ねると「元請と自分の会社の間に立つ窓口の仕事」です。
連絡って、誰と誰の間の話なんですか?
元請のまとめ役と、下請の会社の間や。うちの現場やと、まとめ役は所長やな
私も朝礼や昼の打ち合わせで、連絡事項は職長さんに話します。ほかに何かあったときに話す相手も、職長さんです。

安全衛生責任者に資格はいらない
安全衛生責任者になるための国家資格や試験はありません。法律が求めているのは「選ぶこと」で、資格の条件は書かれていません。
代わりに受けるのが、2日間の「職長・安全衛生責任者教育」です。私も受けました。
教育の中身は、この記事に書きました。
統括安全衛生責任者との違い
名前は似ていますが、立場が逆です。
| 役職 | 立場 |
|---|---|
| 統括安全衛生責任者 | 元請。現場全体のまとめ役 |
| 安全衛生責任者 | 下請。各社の窓口・連絡役 |
統括安全衛生責任者は、働く人が合計50人以上の現場で元請が置きます(トンネルや橋などの現場は30人以上)。
その現場では、下請の各社に安全衛生責任者が必要になる、という関係です。
うちの現場では、統括安全衛生責任者は所長が兼ねています。まとめ役側の話はこちらです。
安全衛生責任者は名前でわかる
「で、うちの現場では誰なの?」は、実はすぐわかります。
安全衛生責任者の名前は、現場のわかりやすいところに掲示されているからです。誰でも確認できます。
もうひとつは、書類です。下請さんが安全衛生責任者を決めると、元請は書類を受け取ります。私たちの現場でも受け取っています。

あとで調べたら、これは法律で決まった手続きでした。選任したら遅滞なく元請に知らせる、と労働安全衛生法16条2項にあります。
よくある質問
Q. 安全衛生責任者は何人から必要?
A. 人数の線引きは、元請側の統括安全衛生責任者と連動しています。
統括安全衛生責任者が置かれる現場(合計50人以上、トンネルや橋などは30人以上)では、下請の各社が安全衛生責任者を選びます。
Q. 選任したら届出は必要?
A. 役所ではなく、元請に知らせます。
選任したら遅滞なく元請に通報する、と労働安全衛生法16条2項で決まっています。現場では書類で行われています。
まとめ|安全衛生責任者は隣にいる
この記事の要点を整理します。
- 安全衛生責任者=下請の会社ごとに置く、元請との連絡役
- なるのはほぼ職長さん。資格は不要で、受けるのは2日間の教育
- 名前は現場に掲示。選任の書類は元請が受け取る
名前は7文字で、いかにも法律の役職という感じがします。でも正体は、毎日の朝礼で顔を合わせて、連絡事項を話す、あの職長さんです。
難しい名前の役ほど、案外、隣にいます。
現場の肩書きの全体像は、この記事にまとめてあります。










