この記事でわかること
- 元方安全衛生管理者は統括安全衛生責任者の補佐役
- 試験や講習はなく、学歴と実務経験で決まる
- うちの現場では所長とは別の人がやっている
元方安全衛生管理者。現場の掲示で見かける、11文字の長い肩書きです。
読みは「もとかたあんぜんえいせいかんりしゃ」。元請、元方。普段から使う言葉なので、現場の人にはおなじみの読み方だと思います。
統括安全衛生責任者とは、別の人なんですか?
うちの現場では別の人や。所長の補佐をしてくれとる人やで
現場9年目の私が、法律の決まりと、うちの現場の実際をセットで説明します。
元方安全衛生管理者とは
ひとことで言うと、統括安全衛生責任者の補佐役です。
大きい現場では、元請が現場全体のまとめ役として、統括安全衛生責任者を置きます。うちの現場では所長です。
ただ、まとめ役の仕事は幅が広いです。
まとめ役の仕事の例
- 協議組織の運営
- 作業間の連絡調整
- 作業場所の巡視
そのうち技術的なことを管理する担当として選ばれるのが、元方安全衛生管理者です(労働安全衛生法15条の2)。
厚生労働省の用語解説にも、統括安全衛生責任者の職務を「補佐するため選任されるもの」と書かれています。
私の認識は「統括が現場のトップで、元方が補佐役」でした。調べてみたら、だいたいそのままでした。
統括安全衛生責任者との違い
違いは大きく2つです。役割と、資格の条件です。
| 役職 | 立場 |
|---|---|
| 統括安全衛生責任者 | 現場全体のまとめ役。資格の条件なし |
| 元方安全衛生管理者 | 補佐役。技術面の管理。資格の条件あり |
統括安全衛生責任者は「その事業を統括管理する人」を充てる決まりで、資格の条件はありません。
元方安全衛生管理者には条件があります。中身は次の章で説明します。
まとめ役側のくわしい話は、この記事に書きました。
元方安全衛生管理者の資格要件
なるための試験や講習はありません。学歴と実務経験で決まります。
資格要件(主なもの)
- 大学・高専の理科系卒+実務3年以上
- 高校の理科系卒+実務5年以上
- 理科系以外の大学卒+実務5年以上の道もある
- 実務10年以上なら学歴は問われない
ここでいう実務は、建設工事の施工における安全衛生の実務です(労働安全衛生規則18条の4、厚生労働省の用語解説)。
試験がない資格って、珍しくないですか?
せやな。取りに行く資格やなくて、経験で認められる立場、という感じや

うちの現場の元方安全衛生管理者
うちの現場では、所長とは別の人が、補佐としてやっています。
名前は現場の掲示で見られます。統括安全衛生責任者や安全衛生責任者と同じです。
正直な話、この肩書きを意識したことは、ほとんどなかったんや
でも思い返すと、書類の作業も、朝礼も、検査も、一緒にやっています。毎日一緒に働いている人でした。

法律では「その事業場に専属の者」を選ぶ決まりです(労働安全衛生規則18条の3)。よその現場と掛け持ちではなく、その現場の専属です。
元方安全衛生管理者が必要な現場
統括安全衛生責任者を選任した建設業の現場では、セットで必要になります。
必要になる現場の条件
- 働く人が合計50人以上(線引きは統括と同じ)
- トンネルや橋などの現場は30人以上
- 選ぶのは元請
労働基準監督署への事業開始の報告にも、元方安全衛生管理者の名前を載せることになっています。
下請の側で対になる役職が、各社に置く安全衛生責任者です。
よくある質問
Q. 元方安全衛生管理者の読み方は?
A. 「もとかたあんぜんえいせいかんりしゃ」です。
「元方」は、現場の一番元になる事業者、つまり元請の側を指す言葉です。現場では元請・元方という言葉を普段から使うので、なじみのある読み方だと思います。
Q. 試験や講習はある?
A. なるための試験や講習はありません。
学歴と実務経験の条件を満たす人の中から、元請が選びます。選ばれたあとは、おおむね5年ごとに能力向上のための教育を実施するよう努める、とされています。
まとめ|統括の補佐役
この記事の要点を整理します。
- 元方安全衛生管理者=統括安全衛生責任者の補佐役。技術面のまとめ役
- 試験はなく、学歴と実務経験で決まる
- 必要なのは統括を置く現場(50人以上、トンネルや橋などは30人以上)。選ぶのは元請
私はこの肩書きを、9年間ほとんど意識せずに働いてきました。でも調べてみたら、書類も朝礼も検査も、いつも一緒にやっているあの人のことでした。
名前を知る前から、仕事は一緒にしていたことになります。役職の名前は、あとから追いついてくるみたいです。
現場の肩書きの全体像は、この記事にまとめてあります。










